序章 新世代の兆し
それは何の前触れもなく訪れた。この物語の始まりとも言える部分。
その部分が、今日この日。ある人物の元に舞い降りた。
『惑星パルム サピエン・シティ』
―――FMC本社 社長室―――
これでもう何件目だろうか?心中でそう愚痴りながらも、デスクの上に表示されているビジフォン内に映しだされた任務達成報告書、最新兵器トライアル申請項目、依頼受諾リストをチェックし、目眩がしそうな程大量にあるリストから項目を削除していく。
グラール太陽系の情勢は相変わらずだ。イルミナスが起こしたあの大テロ事件から早もう5年近く経ったというのに、この太陽系はテロと暴動のせいで地獄の現世状態だ。
おかげで各惑星の政府からの依頼は日に日に増える一方だ。僅かこの5年の間でその依頼件数は3倍近くにもなっている。
私としてはこの会社に莫大の利益が生じる事は喜ばしい事だと思っている。だがそれでは私のために命を賭けて仕事を全うする社員が喜ばないのだ。みなここ最近、日増しに増えている仕事のせいで過労死寸前の状態だ。
せめてもの謝礼として、より莫大な給付金と好待遇で、社員の士気回復に力を入れているのだが、それでも、みな不満こそ漏らさないものの、仕事を終えて帰還してきた社員達のあの疲れ果てた顔を見ると、正直言って心が痛む。
職業柄、優秀な人材を十分に揃えたとしても、時に一気に失われる時だってある。その要因にならないためにも、こうして受諾する依頼をチェックし、あえて制限までかけて処理しているのだが、これではいくら万全な対策を設けたとしても手の施しようがない。
一体、いつになればこのグラールに安寧というものが訪れるのだろうか?
……もしかたら。この先そんなものが訪れること無く、今の情勢のように永遠と種族同士で争い続け、いずれは……グラールの生態系は滅びの道を歩んでしまうのではないのだろうか?
……馬鹿馬鹿しい。ここ最近の激務のせいか、おかしな事を考えてしまった。ともかく早急に今片付けるべき仕事を優先するとしよう。
だが何故だろうか。その事を心の底から否定することが出来ないのも事実だ。このグラールを少しでも平和に近づけるには、我々のような組織とはまた違った、大きな力という物が必要なのかもしれない。
だがそんなものが存在するのか?今私が信仰している力よりも、更に大きな別の力が。
……そういえば、随分と昔、そんな事で言い争った奴がいたな。
本当に随分と昔の事だ。まだ私が旧体制の同盟軍として活動していた頃だ。そいつは私と同期の仲間で、後に私にとって、数少ない唯一無二の親友となった奴だ。
当時はそんな事は世迷言の夢物語だとか言って、ついつい難癖や屁理屈ばかりで言い倒しては、そいつの主張をけして受け入れようとはしなかった。
時が経ち、互いの理想を実現するために、それぞれの道を歩むため、そいつとは離れ離れになった。
……久しぶりに思い出して、その事を考えてみれば……若い頃の私は、いかに短角的で考えなしの大馬鹿者だったと、思い知られるな。
いや、もしかしたら今もそう大して変わらないのかもしれない。その言い争った事を今になって思い出して、その話の重要性を今になって理解してしまうとは。
……今この瞬間、君はどこで何をしているのだろうか?離れ離れになった直後は、互いの状況について連絡し合った事もあったのだが、次第に立場が変わっていく事で、連絡を取り合うことも自然と少なくなり、最終的に、10年前に起きたとある事件をきっかけに、完全に音信不通となってしまった。
最後に彼の消息について聞いたのは。ガーディアンズに入隊して、工学博士として、次期世代キャスト開発について研究し続けている、というのが最後だった。
元々工兵として優秀だった彼は、その知識と才覚を活かして己の理想をいつか成し遂げたいと、まるで子供のように語っていた。
その第一歩を踏み出す事に成功して、その話を聞いた時は、私自身としても非常に喜ばしかった。
あれから随分と時間が経ってしまった。お互いの理想を成し遂げるため散り散りになってもう20年以上の年月が流れ、己の立場も、当時考えていたものとは想像もつかないほどまでに変わってしまった。
……きっと、今も君は理想のために奮闘しているのだろう。消息がわかってから、何度か連絡を取ろうとも思ったのだが、ガーディアンズにとって私は嫌われ者の身だ、おまけに君の立場や状況のことも考えると、こちらから連絡したとしても取り次いでもらえるかどうか、言わずとも分かるだろう。
……しかし理想か、君の理想は今―――――
不意にデスク上に表示されているビジフォンからコール音が鳴り響いたことで我に返る。
やれやれ、また作業の手を止めて深い考え事を、その上思い出にまで浸ってしまうとは、情けない。
私がこんな状態では、今尚必死に仕事をこなしている社員に申し訳がないな。以後引き締めなければ
目を閉じて軽く深呼吸し、気分を落ち着かせたところで目を開け、僅かに間をおいてビジフォンに触れる。
コール通信を受信し、ビジフォンに私の秘書で見慣れた顔でもあるヒューマンレディが映し出される。
『クラリックか、どうした?』
『社長、お忙しいところ申し訳ありません。少々お時間を頂いでもよろしいですか?』
『構わん、何か問題事か?』
『いえ、今しがた客人からご連絡がありまして、社長との面会を希望しているとの事なのですが』
私との面会を希望?VIPか誰かだろか?もしあのお転婆なガーディアンズ総裁なら即刻ご遠慮願いたいだが、しかしどの道誰であれ、ここ最近のスケジュールの事を考えると、相手によっては本気で面会を断る必要性があるだろう。
とりあえず、まずは面会を希望しているその肝心の相手の事について聞いてみるか。
『ふむ…その客人とは誰だ?3惑星の内の政府外交官か?』
『いえ、お相手は―――』
そこで一旦会話を区切り、少しの間が空く。おそらくその客人についての詳細データを引き出して参照しているのだろう。より事細やかな情報を伝えるための彼女なりの気配りだろう、相変わらずマメな事だ。まぁそのおかげでこちらも余計な質問をする手間も省けるというものだ。いつもながらその優秀さには本当に感心させられる。
さてさて、その相手とは?
『―――ガーディアンズ次世代キャスト研究開発部門所属、現最高研究開発責任者【レックス】博士です。今すぐの面会は受け付けておりませんとお伝えしたところ、可能であるなら出来うる限り早い段階での面会をご希望されているようなのですが、いかが致しましょう?』
その名前を聞いた瞬間、思考が完全に停止してしまった。
まさか……いや、間違いなどではないだろう。
レックス、それは紛れもなく先ほどまで思い浮かべていた、我が戦友でもあり、唯一無二の親友の名だ。驚いたな、偶然か、昔の事を思い出したからだろうか?まさか向こうから連絡を取ってくるとは。
『……社長?』
『ああ!すまない。今も客人を待たせているのか?』
『はい、社長のお返事待ちという状態ですので、今も客人と通信可能でありますが……直接対談なされますか?』
クラリックの問にどう答えるべきか大きく揺れる。だが既に言うべきことは決まっている。ただ突然の親友の連絡に少し動揺してしまって中々口が動かなかった。まったく私らしくもない。
『いや、客人に伝えてくれ。そちらの好きな時に訪れてくれて構わないと』
この言葉にクラリックが、少し不安そうな表情を浮かべる。何かおかしな部分でもあったのだろうか?
『……よろしいのですか?ここ最近のスケジュールのことを考えますと、ご無理をなさらず、社長にとって最も都合の良い日にこちらが指定した方が最良かと思うのですが?』
なるほど、私の身体の事を心配しての事だったのか。しかし私にとって都合の日を選ぶとなるとほぼ半月以上先にもなる上に、下手をすればそれすらも潰れてしまう可能性もある。クラリックには申し訳ないが、その気持だけ受け取っておこう。
彼のことだ、私の会社に連絡してきたのも、おそらくただ再会したいだけのためにしてきたわけであるまい。
『心配するな。それにその客人は私にとって重要な客人だ。私としても早めに面会したい』
『そう…なのですか?』
そういえば、クラリックにはまだ彼の事について話していなかったな。まぁ、今話さなくても後日話すことになるのは確定だろう。その時に話せばいい。
それにその他の仕事も今すぐに片付けなければならないというわけじゃない、よほどに急を要する仕事以外ならば、各企業に事前連絡さえいれておけば、当分先延ばしにしてもらえる事も可能だ。どの企業も我が社の多忙ぶりは十分理解しているはずだからな。
『……承知しました。社長がそのように希望しておられるのでしたらそのように』
少しの間をおいてクラリックが了承の言葉を並べる。
『すまないな』
『いえ、全ては我が社長のご意向のままに。それではあまり客人を待たせては失礼ですので、早急に返事をお伝えしてきます。お忙しい所お時間を取らせてしまい大変申し訳ありませんでした。それでは、失礼します』
その言葉を最後に、クラリックが凛々しい顔つきで一礼し、通信画面が閉じられる。
多少無理を通したせいで彼女に不安を与えてしまったが、きっと納得してくれているだろう。
さて、柄ではないが、久しぶりに胸の内が踊るような気分だ。やはり、どんなに年を重ねても、親しい友と久しぶりに再会するとなれば嬉しくなるものだな。
気長に待とう、そして余計な邪魔が入らぬよう、無粋となりそうな仕事を片付けながら、時を過ごすとしよう。
――――それが2日前の出来事だった。あれから再度友人から連絡が入り、今日の正午、私の会社に来ることになった。
いつでも出迎えられるよう席を立ち、こうして大窓から見えるサピエン・シティの町並みを見渡しながら親友を待ち続けている。
側には私の秘書であるクラリックもいる。彼女には既に親友のことについて話してある。
時刻は正午20分前といったところか。彼のことだ。約束の時刻に遅れるなどという事はありえないだろうが、ふむ、やはり迎えぐらいは向かわせるべきだったか。
いや、それはそれで彼を信用していないようで失礼だろうか。
『ふふ、まるで子供のようですね。社長のそのようなご様子は初めて見ました』
『むぅ……』
今か今かと、まるで本当に子供のように親友を待ちわびている私の姿を見てか、クラリックが微笑ましい笑みを浮かべる。いささか無礼ではあるが、否定しようのない事実に、言葉では何も言い返せずただ気恥ずかしさだけが残る。
実は親友の事をクラリックに話したことで、彼女も是非会ってみたいということになってしまって、こうして共に待っているというわけなのだが……親友が来てから彼女を呼び出せばよかったかもしれない。私としたことが、なんとも言いようのない弱点を見せてしまったようで、更に気恥かしい。
そんな私の葛藤を読み取っているのか、クラリックが必死に笑いを堪えているように見えた。何故か私が目を合わそうとすると視線を逸らす上に、しきりに咳き込んだフリをして笑いを誤魔化そうと……いや、一瞬見えた表情が完全に笑っていた……確信犯か。
まったくもって本当に情けない、まさか親友と再会するためにこんな代償を支払うハメになるとは……いやいや、何を私は大げさに気負っているんだ。いや……勝手に気負っているのは私なんだが。
『社長、面会の客人がいらっしゃったのですが』
不意にデスクの上にビジフォンが映し出され、対応している受付嬢の音声が親友の来坊を告げる。
『了承しました、すぐさま社長室へ客人をエスコートしてくれる?』
『ぬ……』
支持を出そうとビジフォンに触れようとしたが、先にクラリックにその役を取られてしまった。一応私宛の専用内線なのだから、他の者が出ると混乱を誘うと思うのだが。
『え?あ…あれ、クラリックさん?え、えっと、あの、社長は?』
『大丈夫、問題無いわ。それより、くれぐれも粗相のないよう丁寧なエスコートをお願いね、社長にとってとても大切な客人だから』
なんとも楽しげな表情を浮かべながら、困惑する受付嬢に支持を出すクラリック。所々、言葉のアクセントもわざとらしく強調していたな、特に『くれぐれも』という部分と『客人』という部分の強調さが目立っていた。完全に私で遊んでないか?
『あ、はい。分かりました。それでは失礼します』
ビジフォンが閉じると、さも何事もなかったかのように綺麗な姿勢に直り、顔つきも客人を出迎える凛々しいものになっていた。
仕返しとして、何か一言ぐらい組織のトップとして注意してやろうと思ったのだが、彼女のその有様を見てしまったことで、吐き出そうとしたはずの言葉が、代わりにため息がでるという結果に終わってしまった。
まぁこの際だ、目を瞑っておこう。彼女としてもここ最近の激務のことを考えると、ろくに息をつく暇もなかったはずだ。これぐらいのおふざけで多少気分が晴れるのなら可愛いものだ、そう思っておこう。
さて、いよいよ我が親友がここへやってくる。毅然とした態度で迎えてやろうではないか。
『社長、客人をお連れいたしました』
数分後、先ほどの受付嬢の声が端末を通じて聞こえてきた。そしてその後すぐにドアがスライドすると、一人の人物が続いて入室してきた。
メガネをかけていて、いかにも学者というイメージを強める白衣を着ているものの、私とほぼ同じくらいの背丈でややガタイのいい体つき。年をとったせいか、はたまた相応の苦労を重ねたせいか、やや白く変色してしまっている短めにカットされた金髪に、今にも閉じてしまいそうな疲れはてたような目付き。もし白衣を着ていなければ、学者を営んでいるなんてまず思わないだろう。
20年前と比べると随分と見た目は変わってしまっているが、それはお互い様だろう。それでも、眼の前に居るこの男が、紛れもなく私の親友であると確信をもっていた。
ゆっくりとその男がこちらに近づいてくる、私もそれに合わせるかのように、ゆっくりと彼の元へと歩んでいく。
そして、互いの距離が縮まったところで、利き腕を突き出し力強く握手をし、残った腕で、力いっぱい再会の抱擁を交わす。再会の喜びのせいか、すぐさま言葉が出なかった、それは向こうもきっと同じだろう。
『……久しぶりだな、ジーン』
『……よく来てくれた、レックス』
20年ぶりに再会して、ようやく出た最初の言葉は実に簡単なものだったが、それでも、その喜びは十二分に伝わっているはずだ。
まだ感極まりないといったところだが、一旦身体を離し、少しだけ互いに距離を取る。
『ふふ、しばらく見ない内に随分と老けてしまったな。なんだその面は』
彼が笑みを浮かべて親友が軽い皮肉を飛ばしてくる。まったく、自分の事を棚に上げてどの口が言うのやら。
『それは君も同じだろう?お互い様だ』
『はは、それもそうだな。それにしても、随分と丁寧な口調だな。20年前のお前とは思えないな、頭に血が上ったら身も蓋もないような言葉で散々相手を罵倒しまくっていたお前が』
『昔話はよしてくれ、ただ単にビジネスを行う上でのマナーを身に付けなければならなかっただけさ、いつまでも昔の私では居られなかったからな』
やはり自然と会話の内容が、昔話や互いの変化の事で埋め尽くされてしまう。このまま、今日1日が終わるまで、何もかもを忘れて、親友とディナーを楽しみながら昔話や思い出話に浸りたいものだ。
だが残念ながらそうはいかないのがつらい現実だ。
『さて、立ち話もなんだ、込み入った話もあるのだろ?座ってゆっくりと話そうじゃないか』
私の言葉を期に、いつも依頼人と商談する時に座っているモダンチェアーに座り、レックスも反対側のモダンチェアーに座る。
『失礼します』
その時、横から暖かいコーヒーが2人分テーブルの上に置かれる。差し入れてくれたのはクラリックだ。立ち上る香りからして私のお気に入りのコーヒーだということがすぐ分かった。うむ、完璧ともいえるタイミングだな。
『ああ、ありがとう』
レックスの言葉の後に、互いにカップを手に取り、淹れたてのコーヒーを一口すする。うむ、相変わらずのうまさだ。これから重要な対談する前に程よく喉が潤ってくれた。
『…うまいな、うむ。随分と優秀な秘書をお持ちのようだ』
『それはどうも。私としてもその言葉うれしい限りだ。紹介しよう、長年私の専属秘書を勤めてくれているクラリックだ』
そう言うと、クラリックがレックスに対し、手を前に組み、相変わらず美しいとも言える凛とした姿勢で軽く一礼する。
『お初にお目にかかりますレックス博士、こうしてお会いできて大変光栄でございます』
『はは、私のような変人と会えて光栄とは、お世辞のうまい方だ』
『とんでもありません、博士が作成した大容量亜空間転送理論や、ハードポイント経由による武装換装効率向上の重要性についてのレポートを拝見させていただいたのですが、どれも先見性の高い、次世代キャスト開発において非常に重要な理論であります。双方の理論が今後キャスト開発部門と携わるとなれば、博士は偉大な存在になられるのは間違いないと思っております。
従ってそのような方とお会いできて光栄と思うのは当然と私は思うのですが、やはり余計なお世辞でしたでしょうか?』
『………』
クラリックの言葉に、レックスはただ呆然と目を丸くするしかなかった。だがそれは私も同じだった、いつの間に彼女はそこまでの情報を仕入れていたのやら。
『お、驚いたな。確かに双方とも私が作成したものだが、ほとんど見向きもされなかった上に、絵空事の空想論として片付けられてしまった物をよく知っていたな』
『我社にとって有益になりうる先見性の高い情報は率先してリサーチしておりますので』
やれやれ、私の知らないところで驚くほどに我社に貢献してくれていたとは。本当に、優秀な秘書だ。
『……まったくお前という奴は、一体どうやってこれ程までの人材を引っ掛けたんだ?』
『失礼な言い方をしないでくれ…まぁ、企業秘密というやつさ』
そんなこんなで喋り合っていたら、いつの間にか、カップの中のコーヒーを全て飲み尽くしてしまっていた。早いものだ、しかしたとえ僅かな間だとしても、彼と多くの事を話せたはずだ。
さて、そろそろ込み入った話しについて切り出した方がいいだろう。クラリックに目線で席を外すよう合図を送る。それを察知すると、見事な手際で音を立てずにカップを回収すると、私達の目の前で一礼し、早々にこの部屋を後にした。
『さて、そろそろ聞かせてくれないか?君が私の会社を訪ねてきた本当の理由を』
私の言葉にレックスの表情がガラリと変わる。真剣そのものとも言える顔つきで独特の威圧感を放っている。おそらくこれが彼の仕事場での表情なのだろう。
『察しがいいな、まぁ余計な事はさておき、まずはこいつを見て欲しい。言葉で説明するよりもずっと早いからな』
そういって懐から取り出したのは、メモリーチップ?それをこちらに差し出してくる。ふむ、中身をスキャンして見てくれということか、とりあえず手に取り席を立ち、デスクに向かいビジフォンを映しだして、チップの読み取り部分をかざし、データの読み込みを試みる。
レックスも席を立ち、私のデスクの側で来ては同じようにしてビジフォンを眺めている。
そして、データの読み込みに成功したのか、ビジフォン内で凄まじい程の情報量が高速で展開されていく。展開途中ではこれが何のデータなのかさっぱり分からなかったが、展開が完了したところで、改めてこのデータが何を意味しているのか、じっくり眺めながら考察してみる。
『……これは…まさか』
膨大なデータの中から、キーとなりそうな情報を絞込み、そこから推理して導き出された結果、このデータが意味するものはというと。
『君が手がけている、次世代キャストの開発データか!』
『さすがだな、その通りだよ。そして……このデータと、この計画そのものをおまえに託したいと思っている』
なるほど……とんでもない贈り物だな。
もう一度、展開されたデータに目を通してみる。あまりに膨大な情報量のため、まだ半分程度しか目を通せなかったが、それでもその内容を見て鳥肌が立った。
このデータの段階で既に既存キャストの性能を、遥かに上回っている。それどころか、現在の技術では、到底不可能とされていた新機構すらも備わっている。もしこれが既に起動状態の段階まで来ているとしたら、それこそグラールの歴史に、新たなページが刻まれる事となる程のものになる。
『これほどまでとは……現在はどの段階まで来ているんだ?』
『2体の開発に成功して、既に2体とも起動状態になっている。今日この日に至るまで様々なテストを行なって、重要要素である項目を全てクリアしたところだ』
となると、もう何時でも公の場に公表できる、というわけではなさそうだな。そうでなければ私にデータなど見せる意味は無いのだからな。
『ふむ、だが見たところ、戦闘用キャストとして開発しているようだな。私にこれを見せに来てくれたということは……あるのだろ?まだクリア出来ていない、決定的ともいえる重要テスト項目が』
『話が早くて助かるよ、そうさ…そのとおりだ』
『だがそのテスト項目をクリアするには、普通のテストでは結果を得られないというわけだな、聞かせてくれ……君が私に何を望んでいるのかを』
レックスが僅かに視線を落とし、一瞬の沈黙が流れる。そして、意を決したかのように私の目を合わせる。頼むべき依頼をどう伝えるべきなのか決まったのだろう。私もその言葉に耳を傾ける。
『……実戦闘用のデータが欲しい。それもガーディアンズ内では得られない様な、高度な、プロの傭兵界でなければ取得出来ないような、ハイレベルな戦闘スキルデータの収集に協力してくれないか?』
なるほど、それが親友の望みか。チップ内のデータを見た限り、当然の依頼とも言えるだろう、そして、親友の理を達成するには、避けて通ることは出来ない上にあまりにも難しい課題だ。
だからこそ私の所に来たのだろう、もちろん断る理由など微塵もない。20年前、互いが離れ離れになる時に交わした約束を果たすためにも、快く引き受けるつもりだ。
だがしかし……
『もちろん快く引き受けさせてもらうさ……だが』
『?…なんだ?』
依頼を受けるにおいては何の問題もない。ただ一点、私が思っている大きな問題点がある。これは親友自身にも大きく関わる問題だ。
『本当にいいんだな?分かりきっているとは思うが、私の組織は一切容赦のない傭兵企業だ、このデータを見たところ、君の手掛けた次世代キャストは、戦闘用でありながらも、感情回路を持ち合わせている上にガーディアンの根底を象徴するともいえる、人命優先プログラムが組み込まれている。ここまで言えば、私が何を言いたいのか分かるだろ?』
痛い所を突かれて言葉に困ってしまったのか、急に押し黙ってしまった親友、だがこの部分を了承してくれなければ、これから先、最も辛い思いをするのはなにより親友であるレックス自身になるのだ。
レックス自身も、分かってはいるのだが、やはり内心どこかで迷いがあるのだろう。覚悟は決めているつもりだろうが、それ以上の覚悟を持ってもらわなければならないのだ。それだけ親友が遂行しようとしている計画は、あまりにも重大なものなのだ。
『君の手掛けた次世代キャストは、きっとみな優しくいい子なのだろ?君にとっては娘も同然なのは間違い無いだろう。その存在を、私が今も見続けている、薄汚れた掃き溜めのような世界に投じる事になっても構わないんだな?』
依然として言葉に詰まるレックス、だが私が気づいた問題点はそれだけじゃない。
『それに……ファーストナンバーである01に関してだが、この容姿……10年前に亡くなった、君の―――』
『それ以上言わないでくれ』
私の言葉に割りこむように親友がやや大きめの声で言い放つ。
『……すまない、いささか無礼だったな』
そう言って私は頭を下げる。親友にとって、一番触れられたくなかった古傷をえぐるような真似をしてしまったのだ。当然の行いだ。
彼の手がけた次世代キャストの内、型式番号YN-01と称されている機体の外見は、間違いなく彼の妹君の姿をしていた。もはやそっくりなどという陳腐なことではなく、生き写しと言ってもおかしくはない容姿だった。
私も過去に何度か目にしたことがあるのだから忘れてはいない。本当に仲がよく、レックスにとって何よりも大切な身内だった。
だがその妹君は10年前、不幸にも事故で亡くなったのだ。
しかし、事故と言う名のはあくまで表向きの隠蔽工作であって、本当は、妹君は同盟軍の失態によって亡くなったのだ。
『……いや、こっちこそすまなかった。だが…知っていたのか?』
『ああ……いくら忙しい身だったとはいえ、葬儀に出席出来なかったことを許してくれ』
その不幸を耳にした当時、親友のために私が同盟軍の犯した失態を暴き、その真実を公にしてやろうかとも思ったのだが、至上主義を掲げる奴らにそんな事をしても、無意味な戦争を引き起こすだけで、ただ多くの血が流れるだけになると考え、私は思いとどまった。それで親友の心が晴れるとも思えなかったからな。
『その気持だけで十分だ、お前の立場の事も考えると、とてもじゃないが責める気なんて起こりもしなかったよ』
『そう言ってくれると助かる……さて、話を戻そう。さっき私が言ったこと事を再度確認させてもらうが、本当にいいんだな?』
『……ああ、私の気持ちは変わらない。元より、私がこの計画に踏み込んだのは、今のこのグラールの情勢を変えるためでもあるのだ、今更もうその事で迷ったりはしない、それに、その方が…亡くなった私の妹への手向けになると思っている』
そう語る親友の目に迷いはなかった。姿形は一緒であったとしても、中身はまるで違っているとしても、自分にとって大切な存在あるものを、私の見ている世界へ投じることがどれほど辛いことか、普通なら誰しもが躊躇うだろう。ましてや今のグラールの情勢だったら尚更だ。
しかしそれでも親友は、私に協力を求めてきたのだ。もはやこれ以上無駄な議論をする必要はないだろう。
『……分かった、君がそこまで決心を固めているのなら。改めて言おう、この依頼、心よく引き受けさせてもらうよ』
そう言って私は利き腕を差し出す。互いの成功と理想を果たすための誓いとして。
『ありがとう、協力に感謝する……ところで無粋な話題を切り出すようで悪いが、今回の依頼に対しての報酬だが、どれぐらい支払えばいい?』
『報酬?ふん、馬鹿なことを言うな。これほどまでに凄まじい贈り物をもらっておいて、親友である君から更に搾り取れというのか?』
『別にそんなつもりで言ったわけじゃないが、一応は…ビジネス、なんだろ?』
親友がどこか悪戯っぽい笑みを浮かべる。まったく知っていて嫌味を言っているな。本当に意地の悪い戦友だ。
『その通りだ、だが君が私にこのデータを贈呈し、私が君の依頼に対してYesという返事をした。その時点で、ビジネスというものは既に成立しているのだよ。何か間違っているかね?』
『ふふ……いや、何一つ』
親友も利き腕を差し出し、互いに力強くその手を握り合う。この時、レックスは感極まってか、本当に嬉しそうな表情をしていた。まだ計画に踏み込んですらもいないというに、気の早い奴だ。
しかしこれから先クリアしなければならない課題が多いのもそうだが、何よりこの計画自体かなり危険な橋を渡る事になるだろう。
『しかし、このデータを見た限り、君も随分と危険な橋を渡ってしまったようだな、ガーディアンズの司令塔キャストとも言えるホスト・ルゥの戦闘データがベースになっているのは、
同じ組織の一員であるから問題ないとして、GRMの次世代キャスト開発データをも元にしているとは、まったく無茶をする、バレれば連中に抹殺されてもおかしくないんだぞ』
『だからこそ、お前を頼りに来たというわけだ。まぁ、厄介事を持ち込んだ私としては偉そうな事は言えないんだが……どの道、お前ほどの企業が存在していなければ、この計画は完全に手詰まりとして終わりを迎えていただろうしな』
やれやれ、私も大概だが、親友も親友だな。しかしガーディアンズ内でこれほどのキャストの研究開発を進めていたのか、となると……
『ふむ……そういえば、君はこの依頼を私の所に持ち込むとなった時、上層部に反対されなかったのか?向こうは私たちの事を毛嫌いしているだろうに』
この質問に親友が妙に含みのある笑みを浮かべてくる。私をからかう時の顔つきだな。一体どんな事情があったのやら。
『ああ、もちろん大いに反対されたさ。ガーディアンズのトップである、ライア・マルチネス総裁からもね』
ああ、なるほど。そういう事か。深く聞かずとも親友の態度に納得出来た。
『聞いたぞ、総裁がお前の所に仕事話を持ちかけに来たそうじゃないか。その時、盛大にのしたらしいな、ガーディアンズのエース、一部の者から英雄ともよばれている、あのイーサン・ウェーバーを』
『何の自慢にもならないただの笑い話さ。それに間違っているぞ、彼をやったのは私じゃなく私の部下だ』
『どっちにしても大した事をしでかしたのには違いないだろ?いずれその部下とやらも紹介してくれ、是非その時の事を聞いてみたいからな』
『やめておいたほうがいい、たぶん私と同じ事しか言わん』
『はは、残念だ。さて、商談は成立したんだ。これから先どうするか少し聞かせてくれないか?』
親友の言葉に、これから先の計画について少し考えてみる。これだけ完成度の高い次世代キャストだ。かなり大規模なテストを行う必要があるだろう。
もちろん、それ以外にも、こちらが提供しなければならないものがある。親友のためにもここは大いに奮発してやるべきだな。
『ふむ、そうだな。君の望む戦闘データだが、それについてはこちらで大規模VR訓練システムを行うよう手配しよう。我社の持つ最新の大容量VRシステムなら、あらゆる場面を想定した戦闘データの入手が出来るはずだ』
『なるほど、それならこちらも心置きなくテストに参加出来そうだ。遠慮無く振舞わせてもらおう』
『あとこれから先、頻繁に私の会社に訪れることになるのは間違い無いだろう。事あるごとにGコロニーからここへ移動してくるのも何かと不憫だろう、住まいの移住に関しては君に任せるとして、職場の環境については我社で取り扱っている研究施設にそのまま移すといい、もちろん必要な機材は全てこちらで用意する。それで―――』
『い、いやちょっと待て』
『?…なんだ?』
『その心遣いには感謝するが、私にも大勢のスタッフがいるのだ。彼らをおいていくわけにはいかん』
『別に君の部下を置いてこいとは言っていない。言っただろ、今の職場を【そのまま】移せと』
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この申し出に親友が唖然とした表情を浮かべる。別段おかしいことなど何もいってないのだが?
『だ、だとしても、スタッフの住まいなどはどうなる?私のスタッフのほとんどがGコロニー在住だぞ?』
『ならこちらに移住希望するスタッフのみ生活に必要な住まいを全て提供しよう、我社の社員が生活している居住区や宿舎に腐るほど空きがあるからな。これで問題あるまい?』
こうまで言っても親友の表情は曇ったままだ。一体何を心配しているというのやら。
『だ、だがそんな事をしてしまったら、どれだけ莫大な経費が掛かるか』
『金などそれこそ腐る程ある、つまらない事を心配したり、変に恩義を感じたりする必要もない。私が大丈夫だと言っているんだ……それとも何か?私が信用出来ないのか?』
『あ、い、いや……わ、分かった。全てのスタッフが移住するかどうかは分からないが、とりあえず希望者にのみ移住を提案してみる、時間はかかるかもしれないが』
『分かった、その間もしスタッフが足りないと感じれは言ってくれ、こちらで手配しよう』
とりあえずテストに必要な場所と、親友の研究環境についてはこれで問題ないだろうか、後は……
ここで気づいたのだが、他に何が必要か考えていると、何か視線を感じると思ったら、親友がまじまじと私の顔を眺めていた。私の顔に何か付いているのだろうか、いくら親友とはいえ、男にそう見つめられていては、あまりいい気分はしないのだが。
『なんだ?』
『ああ、いや……お前、本当に巨大な力を持った組織の頂点になったんだなと思ってな』
しみじみと何を言うかと思えば、まぁ、悪い気はしなかったが。
『ふん……まぁ、とりあえずそういうことだ。もし他にも必要な事があれば遠慮なく言ってくれ、すぐにこちらで手配する』
『ああ、本当に面倒をかけることになるが、よろしく頼む』
そう言って、もう一度互いに握手を交わす。
『ところで私から一つ提案なのだが』
ここで私から親友にある提案を持ちかける。提案と言っても、本当にささやかなものなのだが。
『提案?なんだ?』
『なに大したことじゃないんだが、今日1日、我社のゲストルームにて休んで行かないか?随分と眠っていないような顔をしているからな、悪い提案ではないと思うのだが、どうかな?』
親友の顔は本当にひどく疲れた果てた顔をしている。眼の下にはひどい隈が出来ていて、口には出さなかったが、頻繁に瞬きもしていた。これから共同で大きな計画に入る前に、ある程度休息とってもらうことも重要な事だからな。
『ああ……確かに悪い提案ではないんだが、残念だが遠慮させてもらうよ』
『余計なお世話だったか?』
『いや、そういうわけじゃないんだが』
『なら無理をせず、今日1日ぐらいは休んで行ったらどうだ?時間は十分にある、問題はないはずだろ?』
この一言で親友が怪訝な表情を浮かべる。
『悪いが私はそうは思っていない、私が敵視しているGRMも同じように次世代キャストに完成に近づいているんだ。休んでいる暇などない。奴らより更にその差を広げなくてはならないんだ。それぐらいお前にも分かるだろ?』
随分と親友らしくないな。まぁ、これが親友の昔からの悪い癖だ。結果を残そうと躍起になり過ぎて、自分のことを疎かにしすぎてしまう。そのせいで何度か命の危険に晒された時もあった。まったく20年経った今でも変わっていないとは。
『……はぁ』
ため息を吐いた事で、親友の表情が更に怪訝なものになる。それはもう不愉快そうな顔を浮かべている。
『もちろん分かっているさ、だがそんな状態でいい結果を残せるのか?この計画は君なしでは意味がないのだろ?』
『それは…そうだが』
『私が全面的に協力するんだ、金も人材も機材も十二分にある。もし君に休むことすらも出来ないほど時間に余裕がないというのなら、その程度の時間なら、私が作ってやる。だから無理をせず、まずは身体を休めて、万全な態勢で計画を遂行した方がいいと、私は思うのだが?違うか?』
『むう………分かったよ……私の負けだ』
そう言うと。親友の表情が僅かに和らぐ。どうやら納得してくれたようだ。それだけ今の親友の状態は良くないからな。これ以上意固地になって、提案を断られなくてよかった。
『……同じ事を言われたよ』
『ん?』
同じ事を?どういう意味だろうか?
『私にも専属助手がいてね、少しおちゃらけた性格なのだが、よく出来た女でね、その彼女に、お前と同じようにもっと自分の身体を労ってくれと、泣きつかれた事があってね』
『ならその彼女を心配にさせないためにも、存分に身体を休めることだ。ゲストルームには通信機器もある。それで君の職場に連絡をするといい』
『ああ、そうさせてもらうよ、連絡もなしだとさすがに心配をかけてしまうからな』
ビジフォンを操作し、クラリックにコールしてみる。
『クラリック、私だ。客人をゲストルームへと案内してやってくれないか?』
『―――承知しました、社長室前にて客人をお待ちしています』
ビジフォンが閉じると、改めて友人へと向き直る。多少表情は和らいでいるものの、やはり時間を気にしているのか、今ひとつ落ち着いていないようだ。まったく頑固な奴だ。
『そう心配するな、私と君がこうしてまた共に仕事することになったんだ、課題は多いが、きっとうまくいくさ』
そう言って親友の肩を叩くと、私の言葉に応えるかのように頷いてくれた。そしてそれを最後に、親友はゲストルームへと向かうため、この部屋を後にした。
一人部屋に残った私は、もう一度ビジフォンを開き、親友から譲り受けた次期世代キャストの開発データをもう一度見てみる。
『………いよいよ、新しい時代が訪れる兆しあり、か』
この暗雲に包まれたグラールの情勢に、やっと、夜明けの兆しが見えてきた。
今ようやく、今日この日やっと。その予感を実感することが出来た。
ここからまた、新たな時代の物語が刻まれていくであろう。
そんな予感が、確信として私の胸を高鳴らせていた。